昨夜のこと

自分は世界で一番いい奴なのではないかとおもう。……それは言い過ぎかもしれないが、「世界いい奴ランキング」でトップ10には入ってもおかしくない。

 

金曜の夜は前の職場の友人が辞めるというので、その送別会に行ってきた。行ってきたというより、幹事だった。半年前に辞めた会社の人の送別会の幹事。まだ勤めている別の友人が企画し、店を決め、人を集め、寄せ書きを社内に回すところまではできるが、当日は仕事の都合上時間通りには参加できないしプレゼントを買う余裕もない、というのを、事前に日程確認のために連絡した際に知った。メンバーの中に幹事を任せられる人がいないというのがわかり、それは大変だろう、手伝うよ、と、言ったのだが、実際手伝うどころかもはや幹事。参加者全員から幹事の認識。花束、プレゼントの事前準備から人数を把握してお金の計算、当日の受け付けから送り出される主役が今日は帰らないで遊ぶ!というので三次会まで付き合い久しぶりにオールした。明け方の空気の冷たく気持ちのいいこと。

途中「企画して、あとは全部任せようと思っていた」と、元幹事の友人から告白され、構わないのだけれど、事前に打診してくれと叫びそうになるのをどうにかおさえた。ここは送別会、そして私は場の空気を優先する人間、さらには幹事の肩書き。

私は月曜の会社帰りに閉店間際の店へプレゼントを買いに走り、木曜日に個人的な贈り物をするために走り、当日花を買うために会場近くにある十九時閉店の花屋に電話をしたら「十八時四十分には閉めます」と言われそれなら仕方ない電車では間に合わないとタクシーを飛ばし、プレゼントと花束を会場に預けて、予約の確認をし、その後何食わぬ顔でご本人を迎えに行った。事前に打診してくれ。手伝うレベルを凌駕している。最中も仕事で遅れるなどの遅刻者が多く気が気でなかったため、店員の次にテーブルに気を配っていた。ジンジャエール以外口にした記憶がないがジンジャエールは美味しいよね。

 

受付の際参加してくれた人たちが口々に「違和感がない」「あれまだ勤めてた?」「辞めたのに幹事(笑)」「なんで?」などと言ってくれたので、もう笑ってくれとしか思えない、笑ってくれ、半年前に辞めた会社の幹事をやってる私を。そして友人のために三次会まで付き合った私を。お礼はいいから、もう笑い飛ばしてくれ。

 

送別会くるよね?と元幹事の友人に言われた際行くよ!と答えた私へ、君は本当に人がいいよ、たまに自分でも信じられないほど、人がいい。君が友人をとても大切にする人間だと言うのは知っているし、思うところがあっても、私をフった相手がその場にいようとも、君は普通の顔をしていつも通りにできる、笑顔で接せる、誠意と礼節を重んじる、君はそんな人間だ。そして今、スタバでこの記事を書きながら、綯い交ぜになったさまざまな気持ちを消化できず、一人で泣くような、そんな人間だ。

 

君は本当に人がいいよ、だけど安心してくれ、送別会の主役は、本当に楽しそうだった。満足して帰っていった。だから何もかも良かったのだ。昨夜のことは、良かったのだ。

(追記:退職した友人の、今後の発展を願うばかりだ)