特効薬のこと

宇宙が好きだ。

詳しくはないけれど、宇宙という存在が好きだ。

 

いくら努力してもまだ人間的に未熟すぎるので、感情はものすごく揺れやすく、振り回されやすい。マイナスな感情には、特に。

どうにかしなくてはと対策を考え、その結果、腹が立ったときは、宇宙のことを考えるようにしている。

宇宙に比べたら、腹が立つことがあまりにも小さすぎて、まあいいかなどと思えてくるからだ。

そのおかげで、「怒り」に対しだいぶやわらかな対応ができるようになってきたし、怒りを消すこともできるようになってきた。

周りからも「穏やかな人」だと言われるので、この方法はなかなかに成功していると思われる。サンキュー宇宙。

 

「怒り」に対して宇宙が有効だというのは私が生きてきたなかでだいぶ大きな収穫であるが、そうもいかないのが、「悲しみ」だ。

「悲しさ」や「寂しさ」には、宇宙が効かない。

考えても、そこに広がるのは二十億光年の孤独しかない。

そうなったらもう、呼吸以外の生命維持能力は低下するし、体は起き上ることすらできなくなるし、目は不安に眩むし、頭は正常な判断は下せないし、心はただひたすら悪い妄想に憑りつかれるだけとなる。

(自覚はあるが、かなり難儀な性格をしているな)

 

とはいえ、今まで生きてきて悲しみに飲まれ、どん底まで落ち込んでいたことは数えるくらいしかないのだけれど、まあ、数えるくらいあるのなら、今後も当然あると思う。

これからを思うと、「怒り」に対しての「宇宙」のような、「悲しみ」に対しての特効薬をはやく見つけなければな、という、気持ちである。